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介護職員が退職する際の注意点について

社会的に「退職」という言葉はあまり良い印象の無いものですが、他職と比較すると介護職の退職は数多く、珍しくありません。
今や高齢化が進み介護保険法が発展し、様々な介護サービスが存在します。

介護サービスの種類が多様ですので、介護職が転職をして多様なサービス提供を経験・学習することは、介護職のキャリアアップや介護業界全体の質の向上にもつながります。

また、介護業界全体の慢性的な人材不足から転職先も見つけやすく、介護職は比較的転職しやすい職種です。
こういった背景があり退職の珍しくない介護職ですが、中には好ましくない退職のしかたをしてしまう方もいます。

では、介護職が円満に退職するためには、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。

まず転職しやすい環境に洗脳されていないか

介護職が退職を考えるとき、決定し辞表を出してしまう前に、まずはその理由と背景を再確認することをお勧めします。

介護業界は比較的退職しやすい職業です。
いろんなサービス形態の経験を積みたい・キャリアアップのため、などの転職も多く、転職という言葉にネガティブなイメージが付きにくいです。

また、慢性的な人手不足から次の就職先も見つけやすく「嫌なら辞めればいい」という考え方に陥りやすく、同僚など周囲にも退職者は多く、退職という言葉に慣れてしまうことが少なくありません。
ネガティブな理由で退職を考えることがあったら、なぜ辞めたいのか、退職の他に解決方法がないか、もう一度考えてみることをお勧めします。

急な退職は多大な迷惑をかける

どんな職業・雇用形態にしろ、急な退職は上司にも同僚にも迷惑をかけますが、介護職の場合は介護保険法で一日の最低職員数が決まっており、これに準じて職員の勤務を決めています。

一人の職員が急に「明日から来ない」となってしまうと、ただその日が忙しくなってしまうのではなく、休日だったはずの職員が出勤し、これによって休日出勤分のお金も発生することになります。

1人が抜けることによって全体の予定が変更となり、勤務予定に合わせてプライベートの予定を立てていた人も、その予定をキャンセルすることになるかもしれません。
最低2か月前までには退職の旨を上司に伝えましょう。

介護職も引継ぎはきっちりと

介護職は生活のお手伝いをする難しくはない職業ですが、引継ぎがされなくて困ることは意外に多いです。
例えば、施設介護であれば担当入所者を決めているところが多いかと思います。

日々の介助は職員全員でおこないますが、各職員が入所者を数人ずつ受け持ち、その入所者のケアプランの確認や居室の整理、爪切りや散髪の予定を入れたりするのがこの担当です。
この引継ぎがされないと、ケアプランの見直しがいつなのか分からない、入所者がこだわっていた居室内の物の位置を変えてしまった、などの不都合が生じます。

また、委員会や担当している行事の進捗状況も引継ぎがないと当然他の職員が困ることになります。責任を持って引継ぎをしましょう。

扇動してない?最後までグッとこらえて

どうしても職場の空気や考え方が合わない、人間関係が耐えられない、などのネガティブな理由で退職を決意する場合もあるかと思います。
こういう場合に気をつけなければならないのが、扇動です。

これまでこらえてきた不平不満、退職を決めたことで発散してしまい、同僚に文句ばかり。それどころか「こんなところやめた方がいいよ」などと退職を勧めるような発言をしてしまう人もいます。

また、入所者・利用者に「こんなに酷い仕打ちを受けた」「辞めさせられる」など、悪い印象を植えつけるような話をしてしまうのも気をつけなければなりません。
どんなに退職者側が正しかったとしても、入所者・利用者はその施設・事業所に深く関わって生活されています。施設の入所者であれば、もはや生活の場です。

職員としても、そこで働き、これからも働いていく人たちです。
もう辞める人が何を言おうが良いことは一つもないどころか、周囲のモチベーションを下げる、退職者自身が信頼を失うなど、悪い事ばかりです。
法などに違反するところがあればしかるべきところに報告しましょう。

まとめ

介護職は、退職という言葉に対するイメージが他職と比べるとあまりネガティブでなく、比較的退職しやすい職業です。
そのため簡単に「辞めようかな」と考えてしまいがちですが、将来性のある退職となるか考え直してから慎重に意思決定しましょう。

一つの会社としては、正規雇用の職員の退職は余程問題のある職員でない限りありがたいものではありません。税金や保険などの高いお金を払って雇用しているので、退職するとしても最低5年は勤めてほしいところです。

退職にも様々な事情又は理由がありますが、ほとんどの場合で退職の準備をする時間は十分あります。
職場に残る同僚も応援したくなるような将来性のある、円満な退職ができると良いですね。

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