新人介護職員がすぐに辞めてしまう現場の特徴とは？

人の入れ替わりが激しいと言われる介護業界ですが、実際に入ってもすぐに人が辞めてしまう、という職場は多くあります。
なぜ、そのような事が起こるのでしょうか？

新人の教育や、研修体制が整っていない

最近では未経験でも職員を募集している職場も多くあります。
しかし、まったくの未経験の人間を雇う場合は、それなりの研修や教育が必要になってきます。

きちんと教育体制が整っている職場ならば、まず車椅子の移乗の仕方や、オムツ交換、更衣の仕方など、基本的な介護技術の研修をし、その後、現場で実際に働く際にも先輩介護士が新人に付いて、しばらくの間は一緒に仕事をしていく形になります。
一ヶ月もすればやっと独り立ちできる、というのが通常の流れです。

しかし、人手不足が深刻な職場の場合は、こういった研修をする時間などはなく、初日にいきなり利用者の方相手に介助をする、といった事も珍しくありません。
何もわからないまま、入浴介助や、オムツ交換など、見よう見まねでするのは新人の人にとっては大きな負担です。
正しいやり方を教えてもらわないまま仕事を続けていくと、利用者の方から怒られたり、怪我をさせてしまう原因にもなってしまいます。

勤務体制が過酷、仕事内容がきつい

人間は自分の体と心に余裕がないと、人には優しくできないものです。
毎日、残業や休日出勤ばかりで、自分のゆっくりする時間がない、忙しくていつも休憩がとれない、そんな職場で働いている職員は疲弊しきっていて、新人に対して優しく接する心の余裕がなかなかありません。

新人の頃は誰でも仕事で失敗をするものです。
仕方のない事なのですが、介護の場合は人間相手なので、場合によっては許されない失敗もあるのです。例えば、入浴介助で手が滑って利用者の人に怪我をさせてしまったとか、一緒に手引き歩行をしていて、利用者の人と一緒にこけてしまったとか、そんな場合は、介護士として一番落ち込んで辛い思いをします。

その他にも、自分の不注意で利用者の人を怒らせてしまったとか、自分が悪くなくても、認知症の方にいきなり怒鳴られて落ち込む事もあります。
そんな時に、職場の先輩や同僚が励ましてくれたり、助けてくれたりすれば心が救われますが、誰もカバーしてくれない、助けてくれない、といった職場では｢頑張ろう」という気持ちが誰しも折れてしまいます。

最初にきいていた待遇と違う

面接で、給料や勤務時間など、ある程度の事は確認してから働きだす訳ですが、施設によっては、最初にきいていたのと、実際に働きだしてからとでは待遇が違う、という事もあるようです。たとえば給料は12万から20万と言っていたのに、どんなに働いてもずっと15万を超える事はない・・など。

「休日出勤はない」、と言っていたのに、しょちゅう休みに出勤するように言われる、などもあるようです。
最初に自分がきいていたのと話が違う場合は、「騙された」と思って辞める人が出てくるのも仕方のない事です。

人間関係が悪い

女性が多く働く介護の現場では、人間関係が複雑な職場も多くあります。
特に、気の強い女性同士で意見のぶつかり合いが多かったり、表向きは仲良くしていても、影で悪口を言い合うなど、雰囲気の悪い職場も結構あります。

介護の職場にかかわらず、女性が多い職場ではよくある事ですが、だいたい人間関係を悪くしている人物というのが決まっているのもです。
また、人間関係が悪くなる原因に、上にも書いた「仕事内容が過酷」というのもあると思います。
心の余裕がなくなると不平不満が多くなり、人間関係も悪くなってしまう傾向があります。

管理者などの上の人間がしっかりしていない

新人がすぐに辞めてしまう職場の責任者は、現場の人間から嫌われている事が多いです。
責任者や管理者の立場になると、時には職員に対して、厳しい事を言ったり、叱ったりする事も必要です。しかし、普段からきちんとした対応をしている責任者ならば、他の職員から嫌われるような事はまずないと思います。

嫌われる責任者の特徴は「職員のひいきする」｢サービス残業を強制する」「言動が威圧的」など様々ありますが、大きくまとめると「職員の事を考えていない」だと思います。
そんな責任者の下で働く職員の待遇は決して良くありません。
新人としては、「長く働いても良い事がない職場だ」と思えば、すぐに辞めてしまうのは当然の選択になってしまいます。

まとめ

介護職は、認知症や障害のある利用者の方相手に、何かと大変な思いをする事が多い仕事です。
その上、職場の人間関係が悪かったり、勤務体制が過酷だったりすると、利用者の方のために働こうという思いが持てなくなってしまいます。

大変な職場だからこそ、職員同士で助け合って、お互い励ましあいながら仕事をしていけば、働きやすい職場になっていき、新人が入ってもすぐに辞めてしまう、という事はないと思います。