介護士のお仕事
意外と気をつけていたい!寒い時季のご利用者様の脱水症状について
- 2017.09.30 @ 新着
- 介護士のお仕事
暑い時季は、ご利用者様の水分摂取量が少なくならないよう、これはすべての介護士が意識している事と言えます。
発汗にともなう脱水や体温上昇を回避するために、介護士として意識するのは当然と言えます。
しかし、寒い時季はどうでしょうか?
ご利用者様の水分摂取量はチェックしているものの、介護士の仕事のルーチンワークのようにチェックだけして、実際にご利用者様の水分摂取量が適量かどうかを意識している介護士はどれだけいるでしょうか?
寒い時季は水分摂取量に対する意識が薄くなりがちですが、そんなときに脱水症状をご利用者様が起こしてしまわないように、介護士は意識を高く持つ必要があります。
今回は「意外と気をつけたい、ご利用者様の冬の脱水」について触れてみたいと思います。
介護施設内は冬に室温が上昇する
あたり前のような話ですが、寒い時季、介護施設の中は暖房などの空調で暖かくなっています。
ご利用者様の体調を第一に考え、普通の家庭よりも設定温度を高めにしている施設も存在します。
夏場に冷房を使い、冬場に暖房を使うので、通勤する介護士にとって施設の中は「夏は涼しく」「冬は暖かい」という体感になっている傾向にあります。
実際は夏場に冷房を使いすぎると、ご利用者様が冷えてしまい、それが基で体調不良になってしまう場合もあるので、夏場は冷やし過ぎていない施設が多いと思いますが、冬場は、施設内のご利用者様の衣類調整のしやすさなどの観点から、暖かめに設定している施設が多いのではないでしょうか。
寒い時季、どれくらいの温度設定にするにしても、共通していることは「介護施設の室内温度は、外気よりも高い」という点です。
介護士は、このことを忘れてはいけません。
介護施設内にいれば、ご利用者様は暖かい環境で守られていますが、同時に身体の水分は適度に奪われていくのです。
寒い時季だからこそ、このことを意識しておかないと、ご利用者様の水分摂取に対する意識が薄くなり、冬場の脱水症状を招く恐れがあります。
乾燥する環境は、時に夏場より水分を奪う
また、寒い時季の介護施設の多くが意識していながらも苦労していることが「湿度を適度に保つ」という事ではないでしょうか?
暖房で室内の空気そのものは暖かくなりますが、同時に乾燥した環境を作ります。
冬場は外も乾燥しやすい状況にあるので、暖房を使用する室内はもっと乾燥しやすくなっていると言えます。
乾燥している環境において、ご利用者様は見た目には汗をかいていなくても、自然蒸発する水分が増えています。
「汗をかいていなから水分は足りているだろう」「脱水にはならないだろう」と安易に考え、ご利用者様の水分摂取を怠ると、本当に脱水症状を起こしてしまう危険性が高まります。
乾燥は、インフルエンザ等の原因にもなる
また温度が高く乾燥した環境においては、インフルエンザなどのウィルス性の恐ろしい病気が流行しやすい原因ともなります。
室温が高くても、湿度がそれなりの高さを保つことができれば、インフルエンザウィルス等の活動は低下しますが、室温が高めで乾燥している環境は、病気の流行をあおる環境とも言えます。
施設全体の湿度を適度に保つことには苦労している施設もありますが、ご利用者様の喉を潤し、ご利用者様の口腔内や喉の乾燥を防ぐだけでも、インフルエンザの抑制に効果があります。
そのような点でも、ご利用者様へのこまめな水分補給は重要と言えます。
陽当たりの良い環境+暖房は、室温上昇に特に気をつける事
施設の中は、場所によっても室温が変わります。
例えば陽当たりの良い場所とそうでない場所、南向きの部屋で太陽の光が良く入ってくる部屋とそうでない部屋で、室温は変わってきます。
暖房に近い部屋と遠い部屋、また施設内の暖房すべて同じ機種でも手入れ具合によって、効き目の強弱もあります。
特に陽当たりの良い環境で、暖房の温度調整を怠ると、介護士が思っている以上に部屋の室温が上昇している場合があります。
介護士は、常時その部屋にいるわけではなくても、寝たきりのご利用者様などは「あつい」と言葉を発することもできずに、長時間その部屋にいらっしゃることも考えられます。
陽当たりの良い環境は、本来とてもありがたい環境であり、日光を浴びること自体がご利用者様の身体のリズム作りにも良いのですが、室温上昇の可能性には十分注意する必要があります。
まとめ
「脱水」と聞くと、暑い時季だけの物事のように思いがちですが、実は暑い時季だけ気をつければよいというものではありません。
暑い時季は介護士もご利用者様の水分摂取を意識しやすくなりますが、意外と寒い時季はご利用者様への水分摂取の意識が薄くなり、しかし室温は高いため、冬場であってもご利用者様は脱水を起こす可能性もあるのです。
今回ご紹介した内容が、冬場のご利用者様の水分摂取に対する意識を高め、ご利用者様の脱水症状を回避する参考情報となれば幸いです。
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