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介護士のお仕事

増加するリハビリ型通所介護を選ぶ際の注意点(利用者目線)

通所介護とはデイサービスのことであり、事業所に通って食事や入浴などの介助を受け、レクリエーションなどに参加して一日を過ごすものですが、最近増えているリハビリ型通所介護は、いわゆる「デイサービス」とは少し違うものです。
機能訓練を重視し運動機能の回復や維持を目的としたものが、今注目のリハビリ型通所介護です。

どちらにしても介護事業所なのですが、「介護を受けに行く」と言うよりも「ジムに通う」感覚に近いかもしれません。
デイサービスと同じように介護保険を使うことができ、要支援1から要介護5までの全ての方が受けられるサービスですが、ご利用者が求めているサービスに事業所が対応していない場合があり、注意が必要です。

ご自身の意思が重要となるサービス

デイサービスを利用されている方の中には、まだまだお元気で認知症でもないけれど、家族に心配をかけたくないので仕方なく通っている方もいらっしゃるかと思います。
また、ご家族もその気持ちを知っていながら、様々な事情から心苦しくともデイサービスに通ってもらっているというご家庭もあるでしょう。

居れば良いデイサービスとは違い、リハビリ型通所介護では機能訓練を中心とした介護事業所ですので「仕方なく」通うことにしてしまうと辛い思いをされるかもしれません。
体操や専用機械を使ったトレーニングなど、身体を動かしに行くところだからです。

もちろん激しい運動やご利用者様に合っていないトレーニングを行うことはありませんが、ご自身の意思でないトレーニングは、辛いでしょうし効果も表れにくく、逆効果な場合があり注意が必要です。
これまで「仕方なく」デイサービスに通ってきた方でも、お歌や色塗り・レクリエーションなどが好きでない、何でもかんでも職員に監視同行されてしまうのが嫌、という方などは「ジムに通う」つもりでリハビリ型通所介護にしてみると良いかもしれません。

機能訓練・トレーニングによって、できなくなってしまったことがまたできるようになったら、寝たきりになる不安を解消できたら、とても素晴らしいですよね。

食事や入浴の介助を希望される方の注意点

リハビリ型通所介護では食事や入浴の介助に対応していない事業所もあります。
通所介護という名称はあるものの、他の介護サービスより介護士の職員数が非常に少なく、「介護のプロ集団」とは少し違います。
機能訓練・トレーニングを中心とするサービスですので、職員の人員基準としては理学療法士や作業療法士などの機能訓練指導員と、看護師、生活相談員を配置するように定められています。

介護職員も人員基準に定められているのですが、この「介護職員」は資格が定められていません。資格を持っていなくても「介護職員として採用された人は介護職員」です。
他にも理由はありますが、これらの背景もあり、食事や入浴の介助を希望されても対応できない事業所は多いです。ご希望のサービスを受けられるかどうか事前に確認しましょう。

拘束時間についての注意点

リハビリ型通所介護の拘束時間は3~5時間のものがほとんどです。
食事や入浴の介助、レクリエーションが無く、生活動作の維持向上や介護予防の機能訓練・トレーニングをする場所ですので、デイサービスのように長時間いることはできない事業所が多いです。

午前・午後のどちらかに分かれており、時間も短いので食事も出ません。代わりと言ってはなんですが、お茶の時間を設けているところは多いようです。
家族が仕事などで家を空けている時間を通所介護でお過ごしになるなど、長時間のご利用を希望される場合は、可能であるかを事業所に確認する必要があります。

利用料金についての注意点

地域や事業所によっても変わりますが、要支援の方は月額で2000~5000円程度です。
月額であっても利用できる回数・日数は決まっていますので毎日通えるという事ではありませんが、この金額でリハビリのプロによるプログラムを受けられるのはなかなかお得ではないでしょうか。
気をつけなければならないのは要介護認定されている方です。
一回につき700~2000円程度と介護度によって大きく変わりますが、要支援の方の月額とは違い、回数ごとに加算されます。

まとめ

リハビリ型通所介護は、機能訓練指導員による介護予防プログラムを受けられるもので、要支援・要介護認定を受けているすべての方が対象です。
身体機能を維持・向上し、末永く自立した生活を送るためのサービスです。今できることを維持し、一つでも自信をもって生活していけたら素敵ですよね。

このサービスの素晴らしい点は、ご自身のためだけに受けられるところです。
デイサービスのように、仕方なく通う、みんなのレクリエーションに参加する、などの必要はありません。ご自身の身体のための、ご自身の未来のためのサービスです。
しかし、時間が短い、入浴の介助も必要など、ご希望のサービスを受けられるか、料金と合わせて必ず事前に事業所へ確認してくださいね。

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