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家族からのクレーム、よくある例と対処方法

介護士として仕事をする傍ら、利用者の家族の方からクレームがでることはつきものであり、これは、どの業界においても共通のことだと考えられます。
当然ながら、中身も内容もバラバラであり施設の方針そのものが合わないなかで預かっている方もいらっしゃいます。

しかし、クレームがきても問題を先延ばしにしてしまっては、施設の評判が下がるだけでなく信用も失ってしまい、最悪の場合は運営自体が困難となってつぶれてしまう施設が出てくることもありますし、裁判沙汰にもなりかねない事態にも発展することもあります。

そこで、今回は家族からのクレームについて紹介していきます。

起こりやすいクレーム例

介護業界に限らず、人が仕事をする以上どうしてもヒューマンエラーは避けられずクレームになってしまうことはつきものであり、介護業界では人を扱う職業でもあるため、さらにクレームが増えてしまうことが多々あります。

クレームになる多くの原因は、施設側と利用者家族の認識の「ズレ」や利用者への説明不足や情報の共有不足が多いです。
なかには、理不尽なクレームをつけられたり、利用者の家族の理解不足や強い要望でクレームにつながるケースもあります。

例えば、「定期的に利用者を車椅子に乗せることもしますよ」とアナムネーゼ時に説明したとします。
しかし、本人の状態や要望により、車椅子に乗せないことが見られた際「説明と全然違うじゃないか」とクレームになるケースがあります。

また、「経口摂取を強く希望します。」と家族側からの要望があったとします。
しかし、実際本人は経口摂取にすると誤嚥をする危険性が高く嚥下機能の低下により経管栄養になっているにも関わらず「なんで食事を食べさせないんだ」とクレームになるケースもあります。

また、施設側で何度説明しても受け入れてもらえずに理不尽なクレームにも発展していくパターンもあります。

特に、訪問介護の場合は利用者の家庭環境に触れるため、環境への足の踏み入れ具合によるクレームが多いため注意が必要です。

クレームの対処方法

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介護施設側にクレームが出た際、たとえ理不尽なクレームであってもそのまま放置することは、かえって状況を悪くしてしまいます。
そうなってしまった際、施設の運営に大きく関わってきます。
そのため、まず、クレームがでた際は情報の共有と記録をきちんと残すことが大事です。

例えば、食事介助を行った際利用者が誤嚥してしまったとしましょう。
その際、「なぜ誤嚥したのか?」、「食事内容はどのようになっているのかの確認」といったように、記録しているものがなければ原因や理由がつかめません。

また、これが当事者となった職員だけが知っていても、他の職員の方が知らない限り再発する恐れもあり、下手をすると再発したがために利用者が亡くなるケースもあります。
そのため、情報の共有と記録を残すことは重要になってきます。

また、情報や記録をもとに起こった事態の再発防止について考える材料にもつながります。
例えば、ベッド上での体動がかなり激しく転落してしまったとします。
その際、ベッドの高さの調整や場合によっては身体拘束についても考えられます。

このように、クレームや事故に対しての情報の共有と記録を残し、再発防止につなぐための状況について考える材料が整ってきます。
クレームになった事態に対し、再発防止につながるための研修を行っている施設もあります。

これにより、クレームになった事態だけでなく別の危険性や改善点が見えてくるため、研修を行える環境が整っているのであれば研修を実施する方がいいと言えます。

まとめ

介護業界では、日々の状況変化と人手不足により同じ職員同士でもうまく情報の共有ができないケースが多々あります。
また、利用者の家族のかたの理解不足によるクレームや時と場合によって理不尽なクレームにつながるケースがありますし、施設側と利用者の家族の方との認識の「ズレ」によるクレームのケースもあります。

しかし、理不尽なクレームだからといってそのまま放置することは、かえって状況や施設の運営に関わるだけでなく、利用者の家族からの信頼が薄らいでしまいます。
そうならないためには、クレームになった事態の情報の共有と記録を行い、クレーム再発防止につとめることが必須となってきます。

また、情報の共有と記録の中から何が原因で起こった事態なのかが見えることがあるため、それをもとに改善点や見直しが求められてきます。

特に、訪問介護の場合は利用者の家庭的環境に踏み込むためクレームになることが多いため注意が必要です。

事前の調査や利用者の方・利用者の家族の方とのコミュニケーションをとることが重要になってきます。
また、家庭においても利用者や利用者の家族のこだわりやきまりのようなことがあるため、独断による介護を行わないことを強くオススメします。

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