介護士のお仕事
介護士の虐待は本当に起こっているのか?現状について
- 2017.12.02 @ 新着
- 介護士のお仕事
たまにテレビなどでも、介護士による高齢者の虐待などが報道されていますが、実際の介護現場でも、頻繁にある事なのでしょうか?
なぜそのような事が起こってしまうのでしょうか?
どこからどこまでが「虐待」になるのか?
「虐待」と一言で言っても、様々なものがあります。
殴る、蹴る、叩く、などの行為は誰がどう見ても虐待行為です。
虐待する側にも明らかな悪意があり、相手に対して「傷つける」という事を目的にしている許されない行為です。
しかし、その他にも介護現場で起こりやすい虐待には「身体拘束」や「汚れたオムツを替えない」、「お風呂に入れない」などの行為も含まれます。
この場合は、介護士に悪意がない場合もありますが、結果的に高齢者の人権を無視している事になるので「虐待」になってしまいます。
また、最近では、高齢者の名前を「○○ちゃん」とちゃん付けで呼ぶのも、虐待と言われる事もあります。しかし、人によってとらえ方が違うので、一概には言えません。
一番防がなければいけないのは、殴る、蹴る、叩く、などの悪意のある虐待です。
虐待を起こす介護士の特徴
介護の仕事は、精神的にも体力的にも大変な仕事です。
それでも、自分の悩みや愚痴を言い合える仲間、励ましあう仲間がいれば頑張っていけるものです。
しかし、職場に自分の気持ちを受け止めてくれる人がいない介護士は、自分の悩みを誰にも相談できず、ストレスが溜まっていきます。
それに加えて、過酷な勤務が加わると、そのストレスのはけ口が、立場の弱い人に向かってしまう場合があるのです。
虐待を受ける高齢者は、何かされても自分で反抗する事のできない介護度が重い方か、認知症の方が多いです。
認知症は短期記憶がなくなってしまうため、何かされても、次の日には忘れてしまう事がほとんどなので、標的にされやすい傾向にあります。
また、虐待が起こる時間帯は夜勤帯が圧倒的に多いです。
大きな施設でも、夜勤は職員が2~3人、グループホームなどは1人でやっているため、他の職員の目の届かない所で起こりやすいのです。
実際に日勤で出勤すると、夜勤中に顔や体にアザができている利用者の方がいる事はよくありました。しかし、もちろんすべてが虐待によるものではありません。
少ない夜勤者での見守りだと、日勤帯よりも、利用者の方が怪我をするリスクは高くなるのです。
なので、当事者以外はこの怪我が虐待でできたものなのか、事故でできたものなのか判断しにくいので、なかなか虐待行為を見つける事はできないのです。
虐待はどんな場合に発見されるのか?
最初は誰にもわからないようにやっていても、一緒に仕事をしていくと、少しずつ「この介護士は危険かも」という事が、同僚にはわかってきます。
利用者の人に対する発言や対応の仕方で、何となくわかってくるのです。
毎回、同じ夜勤者の時に怪我をする人がいる、その介護士の前だと利用者の人の様子がおかしい。(怯えているなど)の場合は虐待の可能性も考えられます。
虐待の防止策
明らかに悪意のある虐待の場合、労働条件や、人間関係が原因であったとしても一番の原因は介護士自身に問題があります。
弱者に対して、自分のストレスをぶつける、という行為は介護士としてではなく、人間としてあってはならない行為です。
この場合は根本的な対策は難しいかもしれませんが、怪我などが続いた時は、虐待の疑いの可能性もあるという事を、そのたびに職員間で話合う場を設ける事で、抑制に繋げる事ができると思います。
自分で悪い事をしているという自覚があってしている場合は、誰かに知られてしまうのを一番恐れているからです。
虐待の中には、いけない事だという自覚がないままやってしまっている場合もあります。
例えば、徘徊がひどい認知症の方に対して、ベットに柵をして自分では出れないようにする、車椅子に座らせて、机にくっつけて立てないようにする、という行為も身体拘束になるので、介護現場では虐待になります。
しかし、中には利用者の方の安全のために、仕方なくそうしなくてはいけない場合もあるのです。
例えば夜勤一人の時に、徘徊で転倒する危険のある利用者の方の見守りをしないといけない時、他の利用者の方の介助をするために、その場を離れないといけない時は、その間、怪我をさせないために、ベットに柵をしたり、車椅子を使用しなくてはいけない時もあると思うのです。
しかし、気をつけないと、その行為をする事に抵抗がなくなり、する必要がないのにやってしまう、という事態にもなりかねません。
まとめ
施設の場合、どうしても職員主導での介護になりがちです。自分でも知らない間に虐待に近い事をしてしまっているかもしれません。
自分自身で一線を引いて、その線を越えてはいけないという事を忘れずに、初心を忘れず仕事をしていかなければいけません。
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