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自費の訪問介護は人気が出るのか?将来性について注目

介護サービスには種類があり、昔と比べると多様なニーズに応えられるようになりました。
しかし、介護保険の介護はコストの多くを国が負担しているため、どうしても細かなルールができてしまい、融通が利きません。

よくあるのが、訪問介護での「おばあちゃんのご飯を作るなら、ついでに家族の分も作ってほしい」という意見。
一人分も家族分も大して時間や手間は変わりませんが、税金を使うサービスのルールとして、被介護者本人以外の援助はしてはいけないのです。

自費の訪問介護は、介護保険法とは無関係ですので、このような不都合を無くし、より多くのニーズに応えられるとして、今話題を集めています。
これらのサービスは今後人気がでるのでしょうか。

需要があることは間違いない

訪問介護を利用している被介護者やその家族で、受けているサービスに本当に満足をしている人はどれくらいいるでしょうか。
介護保険法は安く、生きるための最低限のサービスは少なくとも受けられますが、被介護者側はお金を払っています。しかも、「この金額分働いてくれ」と自分で決めた額ではなく、「これだけ頂ければよい」と提示された金額を払っているのに、上で述べたような融通の利かないサービスで済ませられてしまうのです。

一方、介護者側は、介護保険法をよく知って、それに沿って適切に誠実に働いています。
しかし、それを分かって介護保険サービスを利用できる被介護者がどれくらいいるでしょうか。
また、よく理解をしている方であっても、ルールによる効率の悪さや不便さを感じていない方は少ないでしょう。
もし、同じ出費で融通の利くサービスを受けられるのであれば、自費でのサービスを選ばない人はいないでしょう。

ターゲットの範囲が難しい

出費額が同じならば誰もが融通の利く自費でのサービスを望むでしょうが、介護保険を使わないとなると、どうあがいても自費でのサービスの方が高くなります。
その内容に満足できるかどうかはともかく、高額を出すことができなければ、生活のために介護保険サービスを使うことになりますね。

すると当然、貧困層はターゲットから外れます。自費でのサービスを積極的に利用したいと考えることができるのは、富裕層に限られますね。
ところが、貧困世帯ではないにしろ、中間層の一般家庭で、一時間6000円の看護サービスを利用されることがあります。
当然、日常的に利用するわけではありません。どのような時に利用されるかというと、被介護者の看取りの時です。

家庭で静かに見送りたい家族が、一時間6000円という高額な看護費用を払った例です。
高額であっても手の届く範囲であれば、一定の人気は出るでしょう。

富裕層だけをターゲットにするのは危険

自費での介護サービスを積極的に利用しようと考えることができるのは、一部の富裕層だけでしょうから、ターゲットに富裕層を入れない手はありません。
しかし富裕層だけに絞ってしまうと、地域も限られてきます。するとライバル企業よりも多くの支持を集めるために、より富裕層向けの高級サービスを展開していくことになるでしょう。
介護保険法から離れて融通が利き、より質の高いサービスを求める結果、メイドだか執事だか何だかよく分からない体制になるのではないでしょうか。

するともはや中間層からは手の届かない範囲になってしまいますね。
これでずっと上手くやって良ければ良いですが、富裕層はというのはどこにでもいるものではありませんので、幅広い人気が出ることは無いでしょう。
そのうちおむつ交換のやり方が分からない高級介護士などが出てきそうです。富裕層のみをターゲットにするのであれば、介護とは少し違う形で展開するのが良いでしょう。

介護保険サービスと上手く融合できるか

足の悪い高齢者、近所のスーパーまで行くにもひと苦労ですが、ヘルパーがそのスーパーの前を通って家に来る。それでも「ちょっと寄って玉子買ってきて」とは言えません。

しかし自費サービスの訪問介護に切り替えてしまうのは、富裕層以外には簡単にできる事ではありません。
普段の生活には通常の介護保険サービスを利用し、数日に一度、毎日でも数分ずつ、便利な自費の訪問介護を使えたらどうでしょうか。
富裕層に限らず、多くの層からの支持を得られるでしょう。
需要自体はあるのですから、一般的に広く利用されるようになれば人気が出るでしょう。

まとめ

企業単位で人気が出るかどうかは別として、自費での訪問介護サービスに人気が出るかどうかは、その自由さを活かして広く利用される、富裕層だけでなく中間層も上手く取り入れられるかどうかにかかっています。
富裕層だけに向けた超高級介護サービスも一定の需要はありますが、介護業界の一つとして人気を出すには、やはり幅広い利用者層を持つことが必要です。

介護保険法は素晴らしい制度ではありますが、不都合な点が多くあります。今や多くの被介護者が、この不都合を実感している時代ですので、比較的高額でも融通の利くサービスは、非常に需要が高いです。
今注目の自費での介護サービス、多くの人が上手く利用できるようになると良いですね。

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