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介護士のお仕事

介護は言葉よりも非言語が大切?

介護の現場では、生活援助や介助だけではなく、利用者の方とのコミュニケーションも重要な仕事の一つになってきます。
利用者の方によっては、寝たきりで話せない、耳がきこえない、という方もいますが、その場合でもコミュニケーションをとる事はできますし、そんな方にこそ積極的なコミュニケーションが必要になってきます。

言葉だけのコミュニケーション

私たちは普段、家族や友人、職場の中でのコミュニケーションは、だいたい言葉で行っています。
言葉で、人を元気づけたり、喜ばせたり、癒したりする事もできます。
高齢者の方の中にも、話しかけられるだけで喜んでくれる方や、自分の話をきいてもらう事でストレスを発散している方もいます。

お互い、耳がきこえ、話ができる場合は、言葉だけでも利用者の方とコミュニケーションをとる事はできます。
しかし、耳が聞こえづらい、認知症がひどく言葉がなかなか理解できない、寝たきりで話かけても反応がない、という方の場合はどのようなコミュニケーションのとり方をすれば良いのでしょうか?

言葉のない非言語コミュニケーションとは?

非言語コミュニケーションとは、言葉以外でのコミュニケーションの事を言います。
介護の現場でもよく使う事がありますが、顔の表情や、手の動きなどで自分の気持ちを相手に伝えて意思疎通を図ったりする事ができますし、それ以外にも、背中や手に触れる事で相手に精神的な安心感を与える事もできます。

相手が高齢者に限らず、私たちの場合でも、落ち込んでいる時に優しく背中をさすってもらったりすると、心が和む事がありますし、子供が頭を撫でてもらうと、言葉で褒めるだけよりも喜んでくれる事があります。
言葉以外のスキンシップは、言葉よりも相手の心に深く残る事があるのです。

認知症の方へのコミュニケーションは、赤ちゃんに似ている所がある?

認知症がひどくなってくると、以前はできていた事ができなくなっていき、人によっては「認知症の人は赤ちゃんみたいだ」という人もいます。
人生の先輩である高齢者の方に対して失礼な言葉ですが、実際、子育ての経験がある職員が、介護の現場で働いていると「赤ちゃんと似ているな」と思う事が多いそうです。

赤ちゃんは言葉を理解できないし、自分では何もできません。しかし、親から抱きしめられたり、頭を撫でてもらうなどのスキンシップで、心が落ち着き泣き止む事があります。
親から十分なスキンシップを受けていない赤ちゃんは、サイレントベビーと言って感情の乏しい子供になってしまうという研究結果もでています。
コミュニケーションが不足すると、悪い影響を及ぼしますが、逆にたくさんのスキンシップをとるようにすると、お互いに心が満たされ、癒される効果があるのです。

介護で非言語コミュニケーションによってもたらされる効果とは?

認知症で徘徊がひどい、夜なかなか眠ってくれない、暴言や暴力がひどい、ろう便行為など、問題行動のある利用者の方が施設にはたくさん入所されています。
そんな利用者の方の中には「寂しい」などの孤独な気持ちや、「自分の気持ちをわかってもらえない」などのイライラなどが、問題行動を起こしてしまう原因になっている場合があります。

そんな満たされない気持ちをなるべく軽減してあげるようにすると、問題行動が少なくなる場合があります。
言葉がなかなか理解できない方でも、ただ笑顔で接っするだけで、安心感を与える事ができます。少しの時間、手を繋いで歩くだけでも心が満たされ、少しの間は徘徊が落ち着くという事もあるのです。
自立度が高い方の場合でも、長い施設での暮らしで寂しさを抱えている人も多くいます。

しっかりしている分、我慢している事も多く、「寂しい」と口に出せない事もあると思います。少し距離を感じる利用者の方の場合でも、少しのスキンシップがきっかけで距離が縮まり、信頼関係が作りやすくなる事もあります。

日常的にスキンシップをとるには?

職員も日々の仕事に追われているので、毎日、一人の利用者の方に対してスキンシップをとるのも難しい時があると思います。
難しい時は、長い時間でなくてもいいのです。挨拶する時に、手を握るとか、背中に手をあてるだけでも立派なコミュニケーションです。

スキンシップの相手は、職員だけに限らず、利用者の方たち同士でとってもらってもかまわないのです。
レクレーションや、体操などで、お互いに自然にコミュニケーションがとれるようにするのもいいと思います。

まとめ

言葉でのコミュニケーションが難しい人と接する機会が多い介護職では、スキンシップをとる機会も多くなります。
介護を始めたばかりの人は、コミュニケーションが苦手、恥ずかしいという人もいると思います。
外国人のようにハグをしたりするスキンシップも良いですが、無理をする必要はありません。まずは利用者の方に笑顔で語りかける事から始めてみると良いと思います。

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