施設見学をする際は、できれば介護や看護の責任者クラスと会うこと

ご利用者様、ご家族様の立場において、介護施設を探される際は「実際に施設を見学してから決めたい」という方も多くいらっしゃると思います。
施設入所、利用開始してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、時間の許す限り、複数の施設見学をしていただくことは大切です。

今回の記事では、後悔しない施設選びにおいては、施設見学時に、ご利用者様に直接関わる介護士や看護師の責任者クラスと会って介護や看護に対する考え方を聞くことの大切さについて触れてみたいと思います。

入所（または利用）開始担当職員と直接処遇職員は違う

ほとんどの介護施設が、入所相談窓口として、生活相談員等の職員を配置しています。
この生活相談員は、主に入所の相談受付、見学の対応、契約説明、実際の入所日までの橋渡し役とも言えます。

生活相談員を担う職員は、介護士経験者である場合と、社会福祉士や精神保健福祉士のような介護現場ベースでない資格をもって生活相談員を担っている場合があります。

介護士経験者である生活相談員であれば、介護現場の事情もよくわかっていたりするのですが、社会福祉士や精神保健福祉士を基礎資格とした生活相談員は、相談・援助のスペシャリストではありますが「介護現場の細かな事まではわからない」場合があります。

どちらが良い悪いではありませんが、ここでご家族様にお伝えしておきたいのは
「入所相談を担当する職員の全員が、介護現場のこまかな事まで知っているとは限らない」という点です。
ご利用者様が実際に入所した場合、どの程度の介護や看護をしてもらえるのかは、介護現場、看護現場の責任者クラスに直接聞く方が、その施設で大切にしている事や考え方がよくわかるのです。

施設見学の際、実際には介護現場や看護現場の責任者クラスは、まさに現場にいて「現場から離れることができないので」という理由で、直接話を聞くことができない場合もあります。施設見学の事前予約をする場合には「介護や看護の責任者の方にも直接会って話を聞きたい」という旨を先方に伝えて、見学日時の約束をすることをおすすめします。

介護や看護の責任者クラスと直接会ったときの直感が意外と重要

入所受付を担当する生活相談員は、運営する企業事情によっては「介護保険収入を得るためには、何としてでも入所させたい」という事情から、その施設の良い点だけを伝えてくる場合も考えられます。

しかし、実際の入所後にご利用者様に直接関わるのは、介護士であり、施設によっては看護師も関わったりします。
生活相談員から聞いていた話と、介護士や看護師のご利用者様に対する関わり方が「聞いていたイメージと違う」という可能性もあります。

あたり前の事ですが、入所施設は、ご利用者様にとっては入所後の生活が大切であり、日々のことでもあるので、入所後に直接関わる介護士や看護師の事を事前に知っておくことは重要です。

例えば、施設見学時に介護現場の責任者クラスと直接会うことができたとします。介護現場の責任者の雰囲気は、その下で働く介護士に大きく影響しています。

これはフィーリングとしか言えないかもしれませんが、介護現場の責任者と会って話を聞いた結果「どうもこの人とは考え方が合わない気がする」と感じたら、その直感を信じて、その施設への入所はやめておくというのも１つの方法です。

ご利用者様に限らず、すべての人間にとって「なんとなくあの人とは合う、合わない」があるのと同じだと思えばよいでしょう。

生活相談員の雰囲気より、介護士や看護師の表情を見る

似たような話にはなりますが、ご利用者様の入所後の生活を支えるのは、直接関わる介護士であり看護師です。
生活相談員や施設ケアマネ―ジャーの雰囲気が良くても、その雰囲気が介護現場の雰囲気と一致していない場合があります。

施設見学において、主に説明を担当してくれるのは生活相談員であったり管理者クラスの人であったりしますが、介護士や看護師の責任者クラスと会うことができなければ、見学時には実際に働いている介護士や看護師の表情を観察することがポイントです。

生活相談員の説明は親切で丁寧であっても、介護士から挨拶がなかったり、介護士の表情が暗かったりしたら、その施設への入所はやめた方が無難かもしれません。直接処遇する職員の表情や雰囲気はご利用者様にダイレクトに伝わるからです。

まとめ

入所後の毎日の生活を支えるのは、介護士や看護師のような直接処遇職員です。
入所を担当する生活相談員の説明が親切丁寧であっても、介護現場、介護士や看護師の雰囲気と一致しているとは限りません。

施設見学の際は、できることなら介護士や看護師の責任者クラスと会える日時に設定し、その方たちの雰囲気を肌で感じ取ることをおすすめします。
今回ご紹介した内容が、ご家族様の立場からの施設選びの参考になれば幸いです。