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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

権利の適切な主張は大切。介護保険は利用者と事業者が対等な関係である。

介護保険制度が2000年(平成12年)にスタートし、やがて20年という年月が経過します。
介護保険制度が始まる前、また介護保険制度が始まった直後、身内に要介護者を抱えるご家族の介護観としては「要介護者は、家族が面倒をみる」「施設を利用するのは、家族の恥」といった感覚が強かった時代でした。

しかし、介護保険制度が定着してきた今日、また要介護状態のご本人様やご家族様のほとんどが昭和世代となってきた今日、介護保険制度に基づくサービスや施設利用は決して恥ずかしい事ではなくなってきました。

ライフスタイルが多様化し、女性の社会進出(就労など)があたり前となってきた時代だからこそ、介護保険サービスを適切に利用することで、ご本人様もご家族様も心穏やかに過ごせるとも言えます。

今回の記事では、ご家族様向けに「ご利用者様(ご家族様)と介護サービス事業者は対等である」という事について触れてみたいと思います。

介護保険料を支払っている

あたり前のような話から入りますが、介護保険制度は社会保険制度です。

医療保険制度において、国民のほとんどが保険料を支払っているのと同じように(正社員等で働いている方は給与明細を見ると、保険料が引かれているのが確認できます)、介護保険制度も、一定の条件を満たしている国民は、介護保険料を支払っています。

具体的には40歳を過ぎると、介護保険料が徴収されるようになります。
正社員等で働いている40歳以上の方は、給与明細を確認してください。
健康保険料(医療保険)より額は少ないものの、介護保険料が給与から引かれているのが確認できます。

ご家族様にお伝えしたいのは、介護保険料を支払っている以上、介護が必要な状態になったら(自他問わず)、適切に介護サービスを利用するのが良いという事です。
「身内の要介護者を、施設に託すのは恥ずかしい」というような時代は終わったのです。

もちろん介護サービスの不適切な利用はいけませんが、適切に介護サービスを利用することは国民の権利といっても過言ではないのです。

契約という対等関係

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介護保険制度の特徴の1つに「ご利用者様(ご家族様)と介護サービス事業者は契約関係」というものがあります。
これは、簡単に言えば「ご利用者様(ご家族様)と介護サービス事業者は対等な関係」ということです。

介護保険制度開始前は、措置制度と言い、形としては市役所や町役場などが「◯◯施設の利用を認める」といった、行政主導の制度でした。

しかし、介護保険制度が始まり、介護サービス事業に株式会社、有限会社、NPO法人などが参入できるようになりました。
これにより(良し悪しは別として)介護業界にもサービスの競争が発生するようになりました。

同時に、ご利用者様(ご家族様)は、介護サービス事業者を自由に選ぶ事ができるようになったのです。
これが介護保険制度における契約の原則になります。

言い方を変えれば、ご利用者様(ご家族様)は、利用している介護サービスに不満等があれば、サービス事業者を変えてもかまわないのです。

ただ、実際は、ご利用者様(ご家族様)のほとんどが、介護保険制度においてどのようなサービスが存在するのか、こまかく知っている方は少ないので、担当のケアマネージャーに介護サービス事業者選びをおまかせしてしまっているというのが現状ではあります。

居宅サービスにおいて、ケアマネージャーを変えることは可能

要介護状態になったご利用者様の状況にもよりますが、多くの場合は、いきなり施設系サービスを利用する場合は少なく、訪問介護(ヘルパーサービス)やデイサービスのような居宅サービスから介護サービス利用を開始になります。

この居宅サービスを受けるのにあたって、キーマンとも言えるのが担当のケアマネージャーです。
上述でも少し触れましたが、ご利用者様(ご家族様)の多くは、介護を必要とする状態になってから介護サービスを選ぶ事になります。

そして、どこでどんな介護サービス事業があるのか、知らないご利用者様(ご家族様)がほとんどです。
したがって、居宅サービスの計画や、介護サービス事業者選びはケアマネージャーにまかせるしかないというのが現状です。

しかし、ケアマネージャーも実に多種多様なタイプが存在します。
したがって、介護保険サービスのキーマンとも言えるケアマネージャーと人間性が合わない、性格上合わないといった事も、実はよくあるパターンです。

ご家族様にお伝えしたいのは「ケアマネージャーと合わない場合、変更が可能」ということです。
これもご利用者様(ご家族様)の権利です。

具体的には、お住まいの地域包括支援センター、もしくは市区町村の介護保険課などに相談に行かれると良いでしょう。

まとめ

介護保険制度において、ご利用者様(ご家族様)と介護サービス事業者は対等な関係にあります。
極端な言い方をすれば、ご利用者様(ご家族様)が、その介護サービス事業者を気にいらなければ、契約書に基づき、サービス契約を解約することが可能です。

また介護保険制度のキーマンであるケアマネージャーも、変えることが可能です。

せっかく介護保険料を支払っているので、ご利用者様(ご家族様)には、より良い介護サービスを選択できる権利があるということを知っていただければ幸いです。

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