高齢者の方・ご家族の方向けコラム
失禁で褥瘡が悪化する?失禁をする方に対しての褥瘡対処方法
- 2016.05.20 @ 新着
- 高齢者の方・ご家族の方向けコラム
褥瘡は寝たきりだからできやすい、と考えている人も少なくありませんが、失禁でも褥瘡はできやすくなります。
褥瘡ができる原因は、摩擦と湿潤であり、皮膚の湿度が高くなればなるほど、褥瘡ができるリスクは高くなり、さらに治りにくくなります。
失禁で悪化する褥瘡に対しての、対処方法についてご紹介いたします。
悪影響がでることも、皮膚湿潤は最低限に抑える
褥瘡ができる原因として、自分で動くことができなくなることにより、同じ部分に圧がかかりできやすくなると思われがちですが、圧がかかっただけで褥瘡ができやすくなるわけではありません。特に、一番褥瘡ができやすい原因としては、皮膚の湿潤となります。皮膚湿潤は、主に排泄物の失禁により起こりやすくなり、皮膚湿潤を減らすことで褥瘡もできにくくなります。
皮膚湿潤を減らすためには、定期的におむつ交換を行うことが重要となりますが、失禁している場合いつ排泄をしているのか、高齢者が伝えてくれない限りわかりません。そのため、高齢者が排泄をする時間を管理し、できる限り排泄物がオムツ内にある時間を最低限とし、皮膚湿潤を抑えることが重要なポイントとなります。
排泄パターンを知る方法、褥瘡予防に役立つ
高齢者の排泄パターンを知ることが、褥瘡を予防するために重要なことになりますが、排泄パターンは個人個人によって変わって来ます。そのため、個別に排泄パターンを見ていくことが、重要なこととなります。
排泄パターンを見ていくときに、まず24時間1時間おきに排泄を確認していくことが、重要なポイントとなります。これを48時間行い、どの時間帯に一番排泄をしていたかどうかと言うことを、排泄量を測定し調査します。そうすることで、排泄パターンを知ることができ、その高齢者個人にとってオムツを交換する時間を理解することができます。
また、おむつ交換の時間がわかれば、その時間に沿っておむつ交換を行い、排泄物がオムツ内にあるという時間を最低限にすることができます。たくさんの高齢者がいる中で、また高齢者自身が排泄を訴えられない状況で、適宜交換と言うのは介護職自体も大変な作業となるため、その高齢者個人の排泄パターンを知り、その情報に沿ってケアをすることが重要なこととなります。
発赤ができたらすぐ対応、放置は危険
褥瘡というと、ジクジクしている傷などを想像してしまいがちですが、発赤ができている時点で褥瘡の始まりと言うことを、理解しておくことが重要となります。また、発赤時点で対応をしておくことで、それ以上悪化しないことが多いです。
そのため、発赤を見つけたとき、すぐに看護師に報告し、その部分をラップなどで多いそれ以上悪化しないように対処することが重要なポイントとなります。
発赤の状態であれば、特に外用薬などによる治療は必要とせず、ラップなどでの密封療法により完治する可能性が、極めて高くなります。また、失禁をしている高齢者の場合、発赤部分に排泄物が付着することでも、発赤が悪化しジクジクした傷へ移行していくこともあり、さらに、失禁部分をきれいにする際にお尻拭きなどで拭いた際に、摩擦が起こり発赤が悪化する可能性も高くなります。
このような悪化を防ぐためにも、発赤時点で対応をすることで褥瘡の悪化を予防でき、速やかに対処することができます。
まとめ
失禁している高齢者は、失禁しない高齢者に比べ褥瘡が悪化しやすい環境にあります。
そのため、褥瘡が出現しないようにまずは排泄パターンを知り皮膚湿潤を最低限とし、さらに、褥瘡の初期段階で対応することで、褥瘡の悪化を予防することができます。
褥瘡は、一度悪化すると完治するまでに、時間も要しさらには高齢者にとって、心身への負担は大きくなります。そのため、褥瘡にならない環境を作るまたは初期段階での早期対応をすることが、もっとも重要なポイントとなります。
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