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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

意外と知らない!?小規模多機能型居宅介護サービス利用の勧め

介護保険制度が2000年(平成12年)にスタートして以降、今日まで様々な介護サービス形態が存在するようになりました。その中に「小規模多機能型居宅介護サービス」というサービス種別があるのをご存じですか?

今回の記事では、ご家族様向けに「小規模多機能型居宅介護サービス」の利用の仕組みや便利な利用方法についてご紹介します。

「小規模多機能型」を知っているご家族様は少ない

小規模多機能型居宅介護サービスの内容をご紹介する前に、小規模多機能型居宅介護サービスは、なぜあまり知られていないのか、触れてみたいと思います。

ご家族様の中には「デイサービスやショートステイなどは介護保険サービスとして聞いたことがあるけれど、小規模多機能型居宅介護サービスは聞いたことがない」という方は多いのではないでしょうか?

理由は大きく2つあります。1つは、小規模多機能型居宅介護サービスは、介護保険制度が始まった2000年(平成12年)には存在せず、後から創出されたサービス種別であることです。もう1つは「いざ介護保険サービスを利用する」というときに「小規模多機能型居宅介護サービスを選択肢として紹介されないことが多い」という理由です。

小規模多機能型居宅介護サービス(以下、小規模多機能型と記します)が介護保険サービスとして創出されたのは、2006年(平成18年)の介護保険法の改正の時です。つまり介護保険制度開始時には無く、後の法改正で創出された介護サービスなので、介護保険制度当初から位置づけられた介護サービスよりも世間に認識されていないのです。

また、介護が必要な身内が発生したときに、ご家族様の相談窓口として多いのが地域包括支援センター(地域によっては、高齢者相談センターとか地域ケアプラザというような名称で呼ばれています)だったりします。地域包括支援センターに相談すると、大抵紹介されるのが「居宅介護支援事業所のケアマネ―ジャー」いわゆる在宅のケアマネ―ジャーを紹介され、介護サービスを組み立ててもらうという流れになることが多いです。

ところが、小規模多機能型を利用する場合は、小規模多機能型所属のケアマネ―ジャーが計画を作成します。

世間一般の方には、この「在宅のケアマネ―ジャー」と小規模多機能型のような「それ以外のケアマネ―ジャー」の区別がつきにくく、どうしても介護サービス利用の最初の選択肢では、小規模多機能型のケアマネ―ジャーを選択しにくい構造となっています。

小規模多機能型のメリットについて

しかし、小規模多機能型は実はご家族様にとってメリットの多いサービスです。

小規模多機能型は、簡単に言うと「通う」「泊まる」「(自宅に)来てもらう」の3つのサービスが、介護保険の自己負担分について月額で利用できるというサービスです。しかも、利用する小規模多機能型と契約を済ませ利用開始となれば、すべて同一の小規模多機能型に所属する職員によって介護サービスが提供されます。

もちろん「毎日通う」とか「毎日泊まる」というのは無理にしても、例えるならデイサービスとショートステイと訪問ヘルパーサービスを3点セットで、同一事業所から提供してもらえるサービスなのです。これが、ご家族様にとって大きなメリットになります。

ちなみに、小規模多機能型は「地域密着型サービス」に位置づけられており、地域密着型サービスは基本的にはその事業所が存在する市区町村に住民票があるご利用者様しか利用できないので、その点は、ご家族様は理解をしておいてください。

居宅サービスを組み合わせるよりも面倒が少ない

ご家族様の中には「小規模多機能型でなくても、デイサービスとショートステイと訪問ヘルパーを使えば一緒じゃないの?」と思われる方もいらっしゃると思います。

受ける介護サービスとしては似たりよったりではあります。
しかし、デイサービスとショートステイと訪問ヘルパーという居宅サービスを利用する場合は、居宅ケアマネ―ジャーとの契約はもちろんのこと、利用する各事業所と契約書や重要事項説明書を取り交わさなければいけないという書類上の手間があります。利用料金の支払いも事業所ごとに支払うので、この点でも手間がかかります。

しかし小規模多機能型であれば、契約書などの取り交わしは1回で済みます。利用料金の支払い先も分かれません。1回の契約で「通う」「泊まる」「(自宅に)来てもらう」というサービスを受けることが可能なのです。
しかも職員は同一事業所なので、小規模多機能型の3つのどのサービスを受けるにしても、なじみの介護士がサービス提供するという安心感があります。

まとめ

「小規模多機能型居宅介護サービス」は介護保険制度の中でも、世間的にまだ知らない方が多い介護サービスです。しかし、一般的な居宅サービスと比べると、ご紹介してきたようなメリットがあります。

今回ご紹介した小規模多機能型のメリットをご家族様にご理解いただき、介護サービスの選択肢の1つになれば幸いです。

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