コミュニケーションのコツ
幻覚が見える認知症の方の対応方法
- 2016.05.23 @ 新着
- コミュニケーションのコツ
認知症の症状の一つとして、幻覚があります。幻覚は、周囲にはわかりませんが、認知症高齢者にとっては実際にある物、見えているものなのです。
幻覚が見える認知症の対応方法とは何か、ご紹介いたします。
幻覚を否定しない
まず大切なことは、幻覚を否定しないことになります。
例えば、認知症高齢者が「変な人が見ている。怖い」と言った時、介護者は「そんな人いないよ」などといってしまうと、認知症高齢者は怒り出します。これは、自身を理解してくれていない、わかってもらえていないと言うことから興奮状況になるためです。
そのため、このような場合介護者は「変な人が見ているんですね」や「怖いからあっちに行こうか」等、話を傾聴することが重要です。また、幻覚は一度見えると中々その話から離れようとしないため、場所を変えたり高齢者が好きな話に切り替えたりすることが重要なことになります。
共感しても、感情移入はしない
認知症高齢者の幻覚に対し、共感すること重要なことですが、そのことに対し感情移入はしてはいけません。また、その幻覚に対し「ひどいね。わかるわかる。」などと、高齢者の思いをどんどんエスカレートさせてしまう言葉も、禁句となります。
このような行為を介護者がしてしまうと、高齢者の気持ちも高ぶりその幻覚が、より一層鮮明化されてしまいます。そのため、「辛いね」程度で抑えておくことが重要なことになります。
さらに、その幻覚に対し介護者が感情移入してしまうことで、介護者自体の精神衛生上良くなく、介護者自身が追い込まれてしまう可能性が高いため、できるだけ距離を保ち対応をすることが重要です。
幻覚がひどい時には精神科へ受診
日常生活の中で、起きている時間のほとんどが幻覚を見ている場合、高齢者自身の精神衛生上良くないです。そのため、幻覚の程度・状態、また日常生活にどの程度支障をきたしているかにもよりますが、精神科への受診を検討することが重要となります。
認知症による幻覚と思っていたが、実は統合失調症の発症など、精神病の発症の危険性もあるため、幻覚が著しい場合には病院へ受診し適切な治療を受けることが重要です。
まとめ
認知症の症状として幻覚はあり、その幻覚に対しては傾聴および共感的対応をしていくことが重要です。しかし、その幻覚と言う症状の中に、認知症ではない精神疾患が絡んでくる可能性も否定できないため、症状・状態によっては早期に受診し、専門的な医師の診察を受けることも重要なことになります。
幻覚は、認知症高齢者にとってもとても辛いことであり、なおかつ介護者にとっても辛いことです。
そのため、早期治療ができるのであれば、治療も視野に入れてケアをしていくことが、重要となります。
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