良いヘルパーを育てるには？

訪問介護事業所で、サービス提供責任者をしている方で、多くの方はヘルパーの教育や、ヘルパーとの関係性・連携の取り方で悩む事があるのではないでしょうか？
そこで、良いヘルパーを育てるポイントをご紹介したいと思います。

経験の浅いヘルパーへの関わり方

登録ヘルパーの方の中には、資格を取って間も無い方や何年かブランクがある方等、介護初心者といえる方もいらっしゃるかと思います。
「これ位の事は言わなくてもわかるだろう」と決めてしまわずに、出来るかどうかきちんと自分の目で見て確認をしましょう。

また、訪問介護では、初回サービスはヘルパーとの同行が義務付けられている為、１回目は担当ヘルパーと同行し、２回目以降は担当ヘルパーが単独で訪問する形を取っている事業所が多い事だと思います。

ですのでサービス提供責任者は、普段担当ヘルパーが利用者とどのような関わり方をしているのか、計画書のサービス内容にずれが生じていないか等を確認しにくい状況になるでしょう。

経験の浅いヘルパーであれば、もしかすると利用者に言われるがままに応じてしまっている場合があるかもしれません。
利用者にとって、ヘルパーという存在を「何でもお願いを聞いてくれるお手伝いさん」というような認識をしている方も居る事だと思います。

経験の浅いヘルパーが上手く断る事が出来なかったり、してはいけない事をしてしまったりする事がある場合、違うヘルパーが訪問した際に、「いつものヘルパーさんだったらしてくれるのに」と言われる事もあるかも知れません。

ヘルパーによってサービス内容が違う物になってしまうと、訪問介護のサービスとして適切ではありません。
どのヘルパーが訪問しても内容がきちんと統一され、ヘルパーによるサービスのばらつきがあってはいけません。

経験の浅いヘルパーは特に注意を払い、コミュニケーションを取るようにしましょう。
また、時折同行し、自らが見本を見せる事も一つの方法だと思われます。

ベテランヘルパーへの関わり方

サービス提供者の職務に就いた方は、自分自身よりも経験が豊富で、何年もヘルパーをしている方を管理する場合もあるかと思われます。
知識も豊富でしょうし、訪問介護というものに慣れている為、頼りにしたくなるはずです。

しかし、ヘルパーから学ぶ事も多いかと思われ反面、困る事もあるでしょう。
例えば、何かヘルパーが間違った事をしていたとしても注意しにくい事もあるでしょう。

また、介護保険は毎年のように改正があり、訪問介護も以前とは違う部分が沢山あります。
以前と比べると、現在は決まり事も多く、行って良い事と行ってはいけない事も多いように感じられます。

ですので、変更された部分をきちんと把握しているヘルパーであれば問題ありませんが、昔ながらのやり方を現在もそのまま行っているヘルパーもいるかも知れません。
経験が長い分、プライドも高く持っている方もいるかも知れませんが、きちんと伝えていくようにします。
また、自身もしっかりと勉強し、的確に指導出来るように整えておきましょう。

自分勝手なヘルパーへの関わり方

サービス提供責任者は、何人かのヘルパーを管理しなければなりません。
ヘルパーの中には、無責任に休んだり、平気で利用者宅に遅刻をして行くヘルパーもあるかも知れませんし、「この利用者は嫌だ」等と、利用者を選ぶヘルパーもいるでしょう。

働く上での決まりや心得等は、最初だけでは無く何度も伝える事が大切です。
会議の場や、個別で顔を合わせる時等に伝えましょう。
何度も伝える事で、頭と体で覚える事が出来るはずです。

また、自分勝手な行動を取るヘルパーが居る事で、事業所や利用者はもちろん、他のヘルパーにも迷惑がかかる場合もあります。

個別で注意をするのも良いですが、「チームで仕事をしている」という事を認識してもらうには、会議の場で議題に出す事も時には有効かも知れません。
その際は名指しはせず、あくまでも事例として議題に挙げるのが良いでしょう。

人間同士の関わりですので、合う合わないはある事だと思います。
嫌いな利用者だからといって訪問を拒むというのは適切ではありません。

嫌いだからと言って利用者にきつく当たったり、適切なサービスの提供が出来ていないなどの状況であれば、担当ヘルパーの交代をする方が利用者にとっても良いかと思われます。
なぜ嫌いなのか等ヘルパーにも聞きながら、対応方法等や接遇面も一緒に確認するようにし、それでも難しい場合は交代も検討しましょう。

訪問介護は、ヘルパー個人個人の質が大切になります。
普段、どのような態度で利用者と接しているのか、サービスが適切に提供できているのかが見えにくい為、ヘルパーの管理はとても難しい事です。

ヘルパーに任せきりにせず、日頃から利用者からの言葉や、ヘルパーの言葉にしっかりと耳を傾け、状況の把握を行うようにする事が大切です。