意外な資格が責任者に！？調理師がデイサービス主任になった体験談

介護施設は、介護士だけの職場ではありません。介護保険においては、様々な職種が協同でご利用者様やそのご家族様を支援することが求められています。
そんな中で、意外にも（？）調理師がデイサービス主任になった体験談をご紹介します。

デイサービスセンターに特色が求められる時代

私が以前働いていた介護施設は、デイサービスセンターが併設されていました。
その頃は、周辺にデイサービスセンターが非常に多くオープンしているようなご時世でした。

それまでのデイサービスセンターのイメージは、まさに日中介護のみ。
入浴、食事、排泄が中心で、それ以外の時間は少しレクリェーションをやって終わりという内容でした。

ところが、デイサービスセンターが増え、同じエリアでご利用者様の取り合いのような時代がやってきました。ただ単に入浴、食事、排泄の介護をして、少しレクリェーションをして、ご自宅にお送りするという内容ではご利用者様が増えていかないのです。

いかにそこのデイサービスセンターの特色をだすか・・・という時代になっていったのです。

「自宅で食べることのできない味を提供したい」という思い

そんな中、２０代後半の女性の調理師が入職してきました。
外食チェーン店の経験がありましたが、介護事業所は初めてです。

そんな彼女が介護事業所で働きたいと考えたきっかけは、看護師をしていたお母様から「世の中には独り暮らしや老々世帯で、食事も満足にできないお年寄りがいる」という話を聞いて「そんなお年寄りに自宅で味わえないものを食べさせてあげたい」という思いになったからだと言います。

外食チェーン店の経験がある分、基礎知識と料理の腕は確かな彼女の料理は、ご利用者様にとって「日常のような感じだけど美味しい食事」として評判になりました。

そしてこのデイサービスセンターは「昼食が普通に美味いデイサービス」というようなキャッチフレーズが売り言葉のようになっていきました。

「昼食が売り」なら「チームリーダーは調理師」

このデイサービスセンター、調理師の彼女が入職して２～３年後には、その彼女がデイサービス主任を務めるようになりました。上司の判断理由は「昼食が普通に美味いデイサービス」なら「介護の軸は調理師だ」とのこと。

介護現場のマネジメントにとまどいながらも、介護士のチームワークが良かったこともあり、調理師でデイサービス主任である彼女を支える雰囲気があり、このデイサービスセンターはますます話題を呼ぶデイサービスセンターに発展していきました。

まとめ

いかがでしたか？調理師が介護事業所の主任をまかされるという例は少ないと思いますが、介護士以外の職種でも、介護現場の一線で活躍できるという参考になれば幸いです。