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介護士コラム~体験談~

逆転の発送!?平行棒活用して歩行できたらトイレが自立?

介護士が仕事をする上で常に頭の中にあることの1つが、ご利用者様の「安全、安楽の確保」です。しかし時に逆転の発想をすることで、介護士が想像もしてなかったような喜ばしい(?)発見をすることがあります。

今回は、介護士である私の体験談として、歩行状態が不安定なご利用者様に手すり活用して歩行していただいたらトイレが自立したという体験談をご紹介します。

歩行不安定で転倒を繰り返していたT様

私が介護士として働いていたある入所型施設があります。
居室は個室で室内にトイレがあり、一見ご利用者様にとっては「個室にトイレがついている施設なんてステキ」と思えるような施設でした。

しかし、この居室のトイレが災いとなる出来事が頻回に発生していました。

T様という80代の女性のご利用者様がいらっしゃいました。
要介護3、認知症があり、かつ歩行状態不安定という、介護士にとって(表現が不適当かもしれませんがお許しください)手のかかるご利用者様でした。

尿便意があるので、お1人でトイレへ行かれようとされます。
トイレが居室外なら介護士が気がつきやすいのですが、居室内にあるため、T様がトイレに行く様子に気がつきにくく、ドスンという音で介護士が気づき訪室するとT様が転倒しているという事故が頻回に発生していました。

理学療法士(PT)の発案で、ミニ平行棒を居室に設置

介護士
T様に「トイレに行くときは呼び出しボタンで職員を呼んでくださいね」と伝えても、認知症があるため定着しません。
事故の再発防止対策会議の場で、施設の理学療法士(PT)からこんな発言がありました。

居室内に小さな平行棒を複数設置して、トイレまでの道のりを作って、思い切って歩かせてみたらどう?

介護士皆、最初は不安でした。だってますます転倒事故が増えるのでは・・・

ミニ平行棒のおかげで転倒せず、排泄が自立!

しかし嬉しいことに、理学療法士の読みは良い方向に当たりました。

T様は、握力がまだしっかりとされているのでミニ平行棒をしっかり握ることができたのです。平行棒をしっかり握ることができたので、不安定な歩行は安定しました。

そしてT様は尿便意がある方だったので、トイレまで歩いていくことができるようになったおかげで、転倒事故が無くなり、ご自分でトイレで排泄することができるようになったのです!(介護士の見守りも一部介助も不要になりました!)

まとめ

歩行不安定なご利用者様をあえて歩行させることに最初はとまどいがあった介護士たち(私を含めて)でしたが、理学療法士(PT)の見事な発想と読みで、T様にとっても介護士たちにとっても喜ばしい出来事となりました。
これから介護士を目指す方、また現在介護士として働いている方の参考になれば幸いです。

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