介護職はチームで動く、良いチームとは？

どんな仕事でもチームプレイは大事ですが、介護の場合は、特に職員がお互い協力し合って、仕事を進めていかなくてはいけません。
どのようなチームが「理想のチーム」なのでしょうか？そしてどうやって理想に近づけていけば良いのでしょうか？

なぜ、介護職はチームプレイが大事なのか？

介護職には、様々な形態のものがありますが、すべてにチームプレイは必要になってきます。
ホームヘルパーなど、利用者の自宅に一人で行って仕事をする場合は必要ないのでは？と思うかもしれませんが、すべてがそうではありません。

一人の利用者の自宅に、ずっと同じヘルパーだけが通う場合は別ですが、たいていは、一人の利用者のお宅に数人のヘルパーが訪問しています。
例えば、午前中の2時間と、午後の2時間は違うヘルパーが訪問する場合、午前中に自分がどのような介助をしたか、利用者の方の様子はどうだったのか、などの申し送りを、連絡帳などに記入します。
午後からのヘルパーはその連絡帳を見て、仕事を進めていく事になります。
きちんと連絡帳に記入されていない場合は、円滑な仕事ができない場合もありますので、後の人のためにしっかり記入する事もチームプレイの一つです。

その他でも特養や老健などでは、介護度の重い高齢者や、体の大きい人も介助したりしますから、職員2人での「2人介助」が基本になってきます。
特養で寝たきりの方のオムツ交換などは2人で20人～30人の利用者を1時間の間にやらなければいけない場合もあります。この時に介護士の連携がとれていないと、時間オーバーになったり、オムツがきちんと着けられておらず、後で服やシーツが汚れてしまったりと、仕事業務に支障をきたしてしまいます。

また、入浴介助などでも、服の更衣、浴室での洗体、浴槽での見守り介助、と工程ごとに担当が決まっており、流れ作業で介助をするので、チームプレイがとても大事になってきます。
デイサービスなのでは、大人数の利用者の方相手にレクレーションをしたり、外出支援をする機会も多くなるので、職員が協力してその場を盛り上げたり、できていない所をフォローし合わないと仕事を進める事が難しくなってくるのです。

良いチームを作るにはどうしたら良いのか？

職場には、さまざまなタイプの人間が働いています。
性別や年代、経験や知識、価値観、考え方も違う人が一緒に働くのですから、時には意見がぶつかったり、「この人とは合わない」と思う人もいるかもしれません。
その場合でも、日々の心がけ一つで、良いチームを作っていく事はできるはずです。

大事なのは、小さな事でも報告、連絡、相談、をする事です。よく言う「ほう、れん、そう」ですね。簡単な事のようですが、できていない職場も結構あります。
これは、日頃から意識して続ける事で、身についていきます。
「ほう、れん、そう」をする事で、職員同士のコミュニケーションにもなりますし、「この人はこんな考え方なのか」という事もわかってきます。お互いを知って理解する事にっも繋がるのです。

忙しい業務中は小さい事まで一々、確認しながら仕事なんてしていられない、という人もいますが、確認をせずに仕事を続けていくと、何かミスがあった時に、職員間で揉め事の原因にもなってしまいます。「自分は知らない」「きいていない」など責任は誰にあるのか？という事にもなってしまうのです。

普段からマメにコミュニケーションをとる事が、良い職場の人間関係を作っていきますし、良いチームを作る事に繋がっていきます。

自分が動く事で職場を変える事はできるのか？

自分が入社した時点で、すでに職場の人間関係や雰囲気が決まっている事はよくあります。
職員同士が良い関係で仕事している職場は、なじみやすいですが、お互い人間関係がギスギスしている職場などでは、自分一人が頑張ったところで、どうにもならないのではないか、と思ってしまう事もあります。

しかし、人間関係というのはいつまでも同じではありません。
第一印象が良かった人でも、だんだん嫌いになってしまう事もありますし、逆に最初は苦手だと思っていた人でも、付き合いが長くなると仲良くなる事もあります。
職場にいるのは、人生経験の長い大人ばかりなので、自分が誠実に仕事をしていれば、回りの人はきちんと見ていてくれるものです。
自分からとったコミュニケーションがきっかけで職場の人間関係が良くなり、良いチームを作っていく事もきっとできるはずです。

まとめ

介護に対しての考え方は、同じ職種でも人によって違ってきます。
そのため、同じ考えの人同士で、グループのようなものができがちです。
それでも良いのですが、相手の考えも尊重し、いろんな人の意見をきく事で、視野も広がり、みんなで協力して良い職場を作っていこう、という気持ちが生まれると思います。

時間はかかるかもしれませんが、良い人間関係は仕事を充実させてくれます。