サービスつき高齢者向け住宅の問題点とは

高齢化社会に伴い、高齢者の増加傾向には拍車がかかり、今後は現在よりも高齢者の人口は増えていくことが予想されています。
それに伴い、様々な介護施設や老人ホームや介護を取り扱う場が増えており、事業所一つ一つとっても高齢者の状況やニーズに合わせて多様化してきています。

しかし、実際は高齢者の増加に追い付かず、老人ホームや介護施設に入れずに待機している高齢者が多いのが実態となっております。
その中でも、少しでも待機状態の解消することとして期待がよせられていることが「サービスつき高齢者向け住宅」ですが、「サービスつき高齢者向け住宅」も決していいことばかりではなくメリット・デメリットが存在しています。

そこで、今回は「サービスつき高齢者向け住宅」の特徴とそのことに対する問題点について触れていきます。

サービスつき高齢者向け住宅とは

高齢化社会に伴い、高齢者の増加傾向には拍車がかかり、今後は現在よりも高齢者の人口は増えていきますが、高齢者の増加に追い付かず、老人ホームや介護施設に入れずに待機している高齢者が多いです。

そのため、少しでも待機状態の解消することとして期待がよせられていることが「サービスつき高齢者向け住宅」です。
これは、まだ介護の必要がない元気な高齢者向けの介護施設のことを指します。

一般的な介護施設や老人ホームは介護の度合いが高い方が食事や入浴等の私生活の支援を目的としたことに対し、サービスつき高齢者向け住宅は元気な高齢者向けの介護施設のため、介護施設や老人ホームに比べると私生活の自由度は高いです。

サービスつき高齢者向け住宅のメリットとデメリット

老人ホームや介護施設に入れずに待機している高齢者の解消として期待がよせられているサービスつき高齢者向け住宅ですが、当然メリットとデメリットが存在するためそのことを理解してから利用することをお勧めします。

まず、メリットとしては私生活の自由度が高いことです。
これは、サービスつき高齢者向け住宅自体がまだ介護の必要がない元気な高齢者向けの介護施設を目的としてつくられているため、普段の私生活に近く一人一人の個性にあった暮らしが出来ることから挙げられるメリットと言えます。

また、介護が必要な段階になるまえであるため、よほどのことがなければ強制退去がないのも他にない大きなメリットといえます。
サービスつき高齢者向け住宅自体も今後は増えていくため、入居を考えている方にとってはそれだけで選択の幅が広いともいえるでしょう。

反面、デメリットとしては要介護度が重い方は入居が認められず、入居者の中でも何らかの理由によって要介護度が重くなった場合、強制退去が命じられてしまいます。
これは、サービスつき高齢者向け住宅の目的が全く違ってしまうために生じるデメリットであると言えます。

また、世間では私生活を送るうえで全面的な介護を必要とする方も少ないわけではないため、こういったかたにとっては選択肢として入ることは無くなってしまいます。
つまり、介護施設や老人ホームと比較すると利用できる方の選り好みをしているといったように捉える方も少なからずいることが予想されます。

また、介護の必要がない元気な高齢者向けの介護施設を目的とした施設のため、医師やナースの方が常にいるわけではないため、健康面のことで確約が取れないことも大きなデメリットと言えます。

つまりは、ケガや病気においてはかなり対応が薄いと言えます。
さらに、夜間の見守りが希薄なこともデメリットとして挙げられます。

こうしたことをまとめると、介護の必要がない元気な高齢者にとっては一つの選択肢にはなりえることはあっても、健康面や利用する方の状況にはあまり合っているとは言いにくい施設と言えるでしょう。

まとめ

増加する高齢者が増える中で、こうした試みが取り入れられていることにより少しでも老人ホームや介護施設に入れずに待機している高齢者を減らそうとしていることが伺えます。

しかし、日常生活の中で全面的に介護を必要とする方は少なからずおり、今後もそういった方々も増えていきます。

その際、介護の必要がない元気な高齢者向けの方に入所していただくことをコンセプトとしている介護施設が増加した場合、待機している高齢者の方が増えるだけでなく、一種の社会問題として挙げられる状況も考えられます。

また、介護を必要としない方々も、いずれは生活レベルや体の機能も徐々に落ちてしまうことも想定出来ます。

そうなると、サービスつき高齢者向け住宅を強制退去することになるだけでなく介護施設や老人ホームの順番待ちをすることを助長させかねる状況を作ってしまう可能性を作っているともいえるため、今後はサービスつき高齢者向け住宅だけでなく、高齢者に幅広く利用していただく施設を増やすことが求められてくるのではないかと感じています。