介護士の将来性について。2025年はピークではなく、伸び始め年

介護業界において、最近１つのキーワードになっているのが「2025年問題」です。
これは現在人口が最も多い団塊の世代全員が75歳を越える年のことであり、一部では「介護の仕事は2025年以降は需要が少なくなる」と噂されていますが本当でしょうか？

今回は、介護の仕事は実は2025年以降に需要が増えること、そして介護士の将来性について触れてみたいと思います。

現代の75歳は、まだまだ若い

先にも述べましたが、いわゆる「2025年問題」は、現在我が国で最も人口が多い昭和22年～昭和26年生まれ（団塊の世代と呼ばれている）の方全員が75歳を越える年です。
75歳、つまり団塊の世代全員が後期高齢者となり、後期高齢者が最も多くなる年とも言えます。

しかし、介護需要という視点で考えてみるとどうでしょうか？人間誰もが個人差はあるものの、75歳で介護を必要とする要介護状態の方はまだまだ少ないと感じます。
今どきの75歳は、自動車にも普通に乗り、趣味活動や地域のボランティア活動に励んだり、中には現役で働いている方も数多くいます。

そのような状況の中で、75歳ですぐ要介護状態になる方は、同年代の全体数からすればまだまだ少ないと推測されます。

80歳～85歳～90歳と要介護者は増えていく

繰り返しにはなりますが、人間には個人差があります。
また、生活習慣や遺伝などによって若くして大きな病気を患う方もいれば、歳を重ねても大きな病気をしないで元気で生活されている方もいます。

ただ、介護需要という視点で後期高齢者の全体像を見てみると、本当に介護が必要になってくるのは80歳を越えてからの方が多いです。
もちろんこれ以降歳を重ねていけば、大きな病気はしていなくても、加齢による身体機能の低下、筋力の低下などから、要介護状態になる方も増えていきます。

ここで、改めて2025年問題を介護需要という視点で見てみます。2025年、確かに後期高齢者人口はピークと言えます。
しかし実際はまだまだ元気な後期高齢者が多く、後期高齢者の全体人口は減っても、介護需要のピークはその後にやってくると考えられているのです。

介護業界では、真の介護需要のピーク推測は、2035年、2037年、2042年などが挙がっています。

2025年を過ぎてから、介護士はますます活躍できる

介護需要のピークが2025年以降にやってくると推測されています。
ということは、介護士は2025年以降ますます必要とされてくる職種と言えます。

少し話は変わりますが、最近では介護士不足を少しでも解消するために、厚生労働省中心に介護ロボット導入の推奨だったり、介護士の労働負担軽減のためのパワースーツ（ある意味ロボットの一種）の推奨が見受けられます。

介護系ロボットの導入で「介護士の仕事は少なくなる」「介護士の仕事はロボットにとられる」という噂もあるようですが、これは大きな間違いです。
介護系ロボットは、あくまでも介護士不足を補うものであり、介護の仕事のすべてを担うものではありません。
それは、介護はただ単に要介護状態のご利用者様に対する機械的な作業をするわけではないからです。

昔から３大介助と呼ばれる、入浴介助、排泄介助、食事介助にしても、毎回同じように同じ介護をすればよいというわけにはいかないからです。
ご利用者様のその日の体温や血圧など、体調によって介護士は介護方法を臨機応変に柔軟に対応していく必要があります。ご利用者様の精神状態なども考えながら、介助する場面も多くあります。

ロボットの技術は年々優れていきますが、人間の代わり（つまり介護士の代わり）にはまだまだなれないと推測されています。ロボット技術が介護士が提供する介護レベルに追い付くのには、まだ数十年以上かかるとも言われています。
したがって、介護士の仕事はこれから何十年とまだまだ必要な仕事になります。

もう一度、2025年問題に戻りますが、2025年を超えてもまだまだ介護は必要とされる時代が続きます。
今まで以上に、介護士が世の中で必要とされる時代が本当にやってくるのです。

今から始めても、介護ピークにはベテランになれる

仕事としての介護を始める、介護士になるためには、今からでもまだ遅くありません。
2025年問題までもあと7～8年ありますし、介護需要のピークまでには10年以上あります。

国家資格である介護福祉士数は年々増えていますが、まだまだ増えてほしいのが介護業界の実情です。
今から介護士の仕事を始めても、十分ベテラン層、管理者層になれるチャンスがあるのです。

それほど、介護士は将来性の高い仕事と言えるのです。

まとめ

介護士の仕事は、一部噂されている2025年がピークではありません。
その先にピークがやってくるのであり、今まさに成長産業とも言える仕事です。

介護の仕事に興味、関心があり、これから介護を始めてみたいと思っている方は、業界全体が大歓迎です。
ぜひ、明るい介護士の将来に向かってチャレンジしてください。