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胃瘻の方を介護する際に気を付けたいポイントを徹底解説

 病気や高齢により嚥下困難となり、口から食事を摂取できなくなることがあります。その場合、多くは胃瘻を造り胃瘻から食事の元となる栄養を注入することになります。胃瘻は、胃に直接栄養を入れるため喉を通して食べるわけではないので誤嚥しないなどと思いがちですが、胃瘻も取り扱い方によっては危険なことがあります。そこで、胃瘻を介護する際に気を付けたいポイントをお伝えします。

胃瘻を造ってすぐはチューブ挿入部の観察が必要です。

 
 胃瘻は腹部に造りますが、胃瘻を初めて造った際には周囲が化膿してしまうことが良くあります。そのため、胃瘻部の皮膚状況の観察を必ず行うことが必要です。これは、胃瘻を挿入したばかりの頃だけではなく、常に挿入部の確認は必要となりますが、特に挿入して1ヶ月くらいの抜糸を行うまでは特に注意をしていくことが必要となります。
胃瘻の穴があいた後も、皮膚状況の悪化などにより胃瘻部を変更しなくてはならないこともあり、十分な観察を行い、胃瘻を長く使用できるようにすることが高齢者の負担軽減につながります。また、チューブの固定位置やチューブの状況等も確認し、異常時にはすぐに看護師に報告することが必要不可欠となります。

胃瘻で栄養が開始になっても、誤嚥性肺炎を起こします。

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 胃に直接栄養が行くため誤嚥は起こらないと思われがちですが、誤嚥は唾液でも起こります。胃瘻を造った人の多くは誤嚥のリスクが高いために造ります。また、誤嚥は食べ物を口から入れたときのみではなく、日々の生活の中でも起こるリスクは非常に高く、胃瘻にしても誤嚥のリスクは軽減はしてもなくなるわけではありません。さらに、胃瘻からの栄養および水分が入ることによって、口腔内に唾液がたまります。その唾液を飲み込む際に誤嚥を引き起こしてしまう可能性があります。また、胃瘻から栄養を入れた直後は、胃から栄養が逆流する可能性もあり、その際に誤嚥を引き起こししてしまうのです。
 胃瘻が始まったから誤嚥のリスクはないと思わず、胃瘻開始しても食後の姿勢やベッド上での姿勢を45度にし、左を下にして寝てもらう、また注入後30分は横にならないなどその高齢者の身体状況に合った方法を検討していく必要があります。

胃瘻を入れても、口から食べることを忘れないことが大切です。

 胃瘻を造ったから、もうご飯は食べられないという事は決してありません。楽しみとしておやつや、高齢者が好きな食べ物などの摂取は促していくことも楽しみの一つとして必要となります。しかし、安易に提供してしまうと、誤嚥性肺炎になってしまう可能性が高いため、嚥下状況などを医師や看護師等、栄養士やリハビリなどと連携を行い評価し行っていくことが必要不可欠となります。さらに、高齢者自身の希望という物も大切となります。
 胃瘻を造ったらそれでおしまいというわけではなく、胃瘻を造った後も食事状況のアセスメント・評価を行い、楽しい食事時間という物を提供できるよう心がけることが必要なこととなります。

まとめ

 食事ができなく、嚥下状態が悪いから胃瘻というわけではなく、胃瘻を造った後も楽しみという物を提供しつつ、胃瘻状況の確認を行っていくことが必要なこととなります。特に介護者は、オムツ交換や入浴時などに関わることが多く、その際に胃瘻部を見ることができます。ちょっとした変化、異変にも気づき医療へつなげることが大切な役割となります。

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