介護士のお仕事
脱水に気をつけるのは夏だけではない!秋・冬の脱水症状について
- 2018.02.07 @ 新着
- 介護士のお仕事
ご利用者様への水分補給や脱水症状の回避という点について、介護士は夏は意識を高くして、ご利用者様への水分摂取量もこまめにチェックする事が多いですが、秋から冬になると、外が涼しく、寒くなってくるので、介護士のご利用者様に対する水分補給の意識はつい低くなってしまいます。
「高齢者の脱水症状」と聞くと、夏に起こりやすい事をイメージする方は多いと思いますが、意外と秋や冬にも高齢者の脱水症状は起こりやすい、状況によっては起こる可能性が高くなることを介護士は意識しないといけません。
今回は、秋や冬などの涼しい時期、寒い時期になぜ高齢者(ご利用者様)の脱水症状に気をつけなければいけないのか、夏に起こりやすい脱水症状とは何が違うのかについて触れてみたいと思います。
暑い時期は、誰もが脱水症状に気をつける
介護士に限らず、夏のように暑い時期は誰もが脱水症状に気をつけているといっても過言ではありません。
暑い時期のニュースは、高齢者に限らず熱中症や脱水症状で救急搬送されたというニュースを多く見かけます。
したがって、自然と脱水症状を回避するために水分をこまめに摂取したり、少量の塩分などを摂取するように多くの方が心がけています。
介護施設においては、ご利用者様が水分を欲しがらない(飲むことを拒む)場合に備えて、お茶やスポーツドリンクでゼリーを作っておき、ご利用者様にこまめに摂取していただくようにしているところもあります。
ご利用者様の傾向として、水分を一度に多く摂取できないことはもちろんのこと、水分そのものを欲しがらない方が多いので、介護士はご利用者様の1日合計水分摂取量が増えるように、自然と意識をして仕事をしている介護士が多いのです。
「汗をかかないから」と脱水に対する意識が低くなる
ところが秋になって涼しくなると、介護士に限らず、多くの方が水分をこまめに摂取することを忘れがちです。
理由の1つは「夏より汗をかかないから」ということもあります。
介護施設においては、夏場は上記でご紹介したようなお茶やスポーツドリンクでゼリーを作り、ご利用者様にこまめに摂取を促していた取り組みも、秋のある程度気温が穏やかになった頃を境に、お茶やスポーツドリンクでゼリーを作るのをやめてしまう施設が多くあります。
ゼリーを作らなくなってもかまわないのですが、介護士は「秋や冬などの涼しい時期、寒い時期でも、ご利用者様は脱水症状を起こす可能性がある」という意識を忘れずにご利用者様と関わる必要があります。
なぜ涼しい時期、寒い時期でも、ご利用者様の脱水症状になる可能性を意識する必要があるのでしょうか?下記で詳しく解説していきます。
排尿回数が多いと、水分は失われる
ご利用者様が寒い時期に脱水症状になるかもしれない、その理由の1つに「排尿回数の多さ」があります。
高齢者に限らず、寒い時期にトイレが近くなる方は多くなります。
ご利用者様も同じような傾向があり、寒い時期は、暑い時期に比べるとトイレに行く回数が増え、排尿(小便)回数が増える傾向にあります。
1回あたりの排尿量の多い少ないにかかわらず、1日の合計排尿量は、排尿回数の増加に比例するように増えている可能性が高いです。
排尿回数が増え、1日の合計排尿量が多くなっているのにもかかわらず、摂取する水分量が少なくなれば、体内に蓄積されている水分はおのずと減っていきます。介護士が意識しなければいけない点はここにあります。
排尿回数が増えているのにともなって、適切な水分摂取量が確保されているか、介護士は意識しないといけません。
建物内の温度は暖かいという基本を忘れずに
あたり前ではありますが、寒い時期に建物内で暖房を使わない家庭はほぼありません。
介護施設においては、むしろ一般家庭以上に施設内全体や、ご利用者様の居室の温度に気を配っていると言えます。
つまり、普通に考えれば、施設内は外気よりも室温が高くなっていると言えます。
これは寒い時期であっても、ご利用者様にとっては暖かな環境が確保されているということであり、同時に介護士の目に見えない箇所に多量の汗をかいている可能性があるということです。
見えない箇所というのは、例えば服の内側、肌着類のあたっている所だったりします。
またオムツや紙パット類を使用しているご利用者様は、その部分は温まりやすく汗をかきやすい環境になっていると言えます。
介護士の見えない箇所で、ご利用者様は多量の汗をかいている可能性があることを忘れずに、そして施設内は常に暖かい環境であることを忘れずに、介護士はご利用者様の水分摂取量を意識する必要があります。
まとめ
「高齢者の脱水症状」と聞くと、どうしても暑い時期に起こりやすいというイメージをもちますが、涼しい時期、寒い時期でも、ご利用者様は脱水症状を起こす可能性があることを、介護士は忘れないようにすることが大切です。
水分摂取に対して意識が低くなりがちな寒い時期こそ、ご利用者様の1日の合計水分摂取量と排尿量に着眼して、摂取と排出のバランスを気にかける必要があります。
ぜひ、寒い時期のご利用者様の脱水症状を回避して、ご利用者様が良い状態で生活できるように介護士の皆さんは心がけてください。
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