HOME > すべての記事 > 高齢者の方・ご家族の方向けコラム > 特養のターミナルケアはどのように行われるのか

高齢者の方・ご家族の方向けコラム

特養のターミナルケアはどのように行われるのか

超高齢化社会のわが国において、特別養護老人ホームで生涯を送る高齢者は、年々増えています。また、特別養護老人ホームでは、癌になる患者数が増加していると同時に、ターミナルケアを取り入れている施設も増加しており、癌であったとしても最期まで住み慣れた特養で過ごすことができるようになってきています。

では、特養のターミナルケアはどのように行われているのか、ご紹介いたします。

スキルアップを行って看取りについての学習

特養では、看護師が夜間常駐していることが少なく、基本的には介護職員のみで夜間は働いています。そのため、何か異常があった際には看護師に電話で状況を伝え、その状況を踏まえて看護が特養へ行くか行かないかを判断することになります。

看護師がいない時間、ターミナルの高齢者が急変した時には、介護職員が対応をしなければならない状況であるため、特養の職員が看取り看護について学習することが重要となります。

そのため、一人ひとりの高齢者の見取りの状況について、都度振り返りこの場合はこうしていくことが良い、こうするべきだったなどと事例検討していく中で、看護職および介護職のスキルアップをしていっているのが現状となります。

家族との連携も、どのタイミングで呼ぶのか大切

961ad5985467a25c3514f77e56452a71_s
ターミナルケアで最も重要なのは、家族との連携となります。家族がどのタイミングで付き添いをしたいのかということを、特養では重要なこととなります。家族の中には、その高齢者との過ごし方によっては「亡くなってから連絡をください」と言う人もいるため、必ずしもなくなりそうな段階で呼ぶと言うわけではありません。そのため、家族の意向をきちんと聞き、どのタイミングで家族を呼ぶかと言うことも、特養自体で把握することが重要です。

また、高齢者の場合、下顎呼吸が始まってすぐに亡くなることもあれば、そこから2〜3日生き続けられることもあります。更には、突然亡くなることも少なくありません。そのため、今後の予測と言うことがとても立てづらく、いつ何が起こるかわからないと言うことを、あらかじめ家族には伝えておくことが、後々のトラブルに発展しないためにも重要なこととなります。

最期までその人らしく、尊厳や個性を大切にする

特に、特養では病院とは違い、最期の時まで食べたいものを食べ、起きたいときに起き、トイレでの排泄を行うなど、その人らしく生き抜くということを重要視していることが多いです。そのため、お風呂も亡くなる日の朝に入ったと言うことも、珍しいことではありません。

病院では、どうしてもターミナルとなり動けなくなっていくと、清拭などになってしまい入浴ができないまま亡くなる事も少なくありません。しかし、そこは特養だからこそ身体が動かなくても、ストレッチャー入浴などを行い、最期の最期までその人らしく生活を送ることができます。

まとめ

特養でのターミナルケアは、介護職と看護職が一体となり、さらに家族との連携を必要不可欠としています。そのため、その人らしく最期を迎えられるよう、ケアを遂行していくことになります。しかし、医療を提供できる場ではないため、何かあっても何も出来ないのが現状としてあります。

そのため、いつどのタイミングでどのような形で、息を引き取るのかと言うことも全くわからず、家族が看取ることができないことも少なくありません。しかし、最期まで住み慣れた場所で、また知っている人たちの側で最期を迎えることができるというメリットが、特養でのターミナルケアならではとなります。

掲載中の転職サイト一覧

高齢者の方・ご家族の方向けコラム関連記事