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高齢者の方・ご家族の方向けコラム

介護サービス利用のタイミングと地域包括支援センターへの相談について

主に高齢者向けではありますが「健康寿命」という言葉を多く耳にするようになりました。
「できるだけ健康で長生きする」ということは本来よろこばしいことではありますが、人間のほとんどが健康でない状態(何らかの病気になる)を経て、最期をむかえます。

少し視点を変えると「健康でなくなってからも長生きする時代は、介護の長期化につながる」という見方をすることができます。
また違った角度から焦点をあてると、ご利用者様やご家族様にとって、どのタイミングで介護サービス利用の相談をしたり、実際にサービス利用開始するかの見極めが大切になるとも言えます。

今回は、ご家族様向けに介護サービス利用のタイミングと、そのとき、どこにどのような相談に行ったらよいかという内容をご紹介します。

介護予防という考え方について

高齢になっても、ご本人様が元気なうちは、ご家族様の多くは「介護とは無縁である」「介護に直面すると意識していない」というのがホンネではないでしょうか。

そして、多くのご家族様はご本人様が病気や認知症などによって、要介護認定を受けてから初めて介護サービスというものを意識するようになるのではないでしょうか。
介護事業に携わっている者として、現実にそのようなご家族様を多く見てきました。

少し話は変わりますが、冒頭で「健康寿命」という言葉を使いました。
この「健康寿命」と「要介護」の間に「介護予防」という考え方が、日本の介護保険情勢には存在します。

つまり要介護状態になる前に、自己での介護予防や、社会資源(介護保険以外の社会サービスなど)を利用して要介護状態の身体にならないようにしましょう、という考え方です。

地域包括支援センターへの相談は早めに

この「介護予防」という考え方と密接な公的相談機関が、「地域包括支援センター」と呼ばれている相談機関です。
地域によっては「高齢者相談センター」「あんしん相談センター」「地域ケアプラザ」等の、より親しみやすい名称で呼ばれています。

ここでご家族様にお伝えしたいのは、ご本人様が「要介護」になる前段階の、(表現は好ましくないですが)少し手のかかる程度のときが「地域包括支援センター」に初回相談に行く良いタイミングであるということです。

「少し手がかかるだけだし、本人も1人でできることがまだ多いから、相談機関に介護の相談をしにいくのは早いのでは」とお考えになるご家族様も多いと思います。
しかし、このタイミングでの早期相談をすることで、地域包括支援センターがご本人の状態を把握することができ、必要であれば介護予防のための専門的な計画を作成してもらえる可能性があります(介護予防プランなどと呼ばれています)。

また早期相談をすることで、ご家族様としては、その先に必要になる可能性が高い地域における介護保険サービス事業所の種類や場所を予め知ることができます。
ご本人様が要介護状態になったときに備えると言ってもよいでしょう。要介護状態になってからあわてないように、予備知識をつけることができるとお考えください。

介護保険サービスを利用する場合、そのサービスを組んでもらう「ケアマネージャー」が必要になります。
ケアマネージャーとご本人様やご家族様の間に料金は発生しませんが、ケアマネージャーは基礎資格や性格など様々であり、また多くのご家族様はどこにどのようなケアマネージャーがいるかは知らないです。
というか、知り得る情報が無いとも言えます。

そのようなときに、予め地域包括支援センターに相談して、定期的に訪問相談などを受けていたご本人様やご家族様は、地域包括支援センターが把握しているケアマネージャーを、しかもご本人様やご家族様の希望に見合うケアマネージャーを紹介してもらいやすくなります。

要支援1・2の認定を受けたら、介護予防事業の利用を申し込む

介護サービス利用の開始ですが、ご本人様が要支援1・2という要介護状態前の軽い認定を受けたら、何らかのサービスを利用することをおすすめします。

何らかのサービスを利用することで、ご本人様は「他人(介護士等)に関わってもらうことに慣れる」ことができ、ご家族様は「要介護状態、さらにご本人様が重度化した場合に、介護サービス利用のイメージがつかめる」というメリットが発生します。

ただし、要支援1・2は利用できるサービスが限られています。実際にどんなサービスを利用できるのかを相談できるのも、先にご紹介した地域包括支援センターになります。

介護保険外の地域展開しているサロン等に参加する

介護サービス利用の前段階として、最近では各地域で高齢者サロンなど、介護保険サービスよりもより気軽に集まれる場が展開されています。

地域のボランティア方で運営されている高齢者サロンもあり、ご本人様の気持ち的には「介護を受けている感覚がないので、なじみやすい」かつ「生活が活性化し、介護予防につながる」というメリットがあります。

まとめ

介護サービス利用のタイミングは難しい面がありますが、遅くなるよりも早めに地域包括支援センターなどの相談機関にまずは相談に行くことをおすすめします。
そのことによって、ご本人様やご家族様が得られるメリットは多くあります。

今回ご紹介した内容が、ご家族様にとって、介護サービスや、その前段階のサービスを利用するタイミングをはかる参考になれば幸いです。

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